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GIGAスクール構想で本当に目指すべきこと。問われる教育現場の意識改革!

文部科学省が発表したGIGAスクール構想により、令和5年までの間に「児童生徒1人1台コンピュータ」を実現する動きが活発化しています。

令和2年1月27日に東京・内幸町の帝国ホテルで開催された「2020年JCSSA新春特別セミナー」においては、大手PCメーカー9社が経営方針と営業戦略についてのプレゼンテーションを行い、「働き方改革」や「5G」のほか、「GIGAスクール構想」を意識した説明が相次ぎました。Impress PC Watch参照)

Society 5.0時代に生きる子供たちにとって、ICT教育が必要性不可欠であることは明白ですが、各自治体の予算都合によってPC端末が用意できずに、端末普及率にバラツキがあるのが現状です。

「児童生徒1人1台コンピュータ」の実現は、PC端末普及率による教育格差を解消し、ICT教育の発展に大きな期待が寄せられています。

 

問われる学習者用端末の管理方法

教育委員会の方針によってPC端末の取り扱いに違いはありますが、現状の学習用端末の管理は、パソコン教室の施錠や鍵付きバッテリーBOXなどで盗難や紛失の防止を行っています。教頭先生の鍵管理の元、必要に応じて先生が鍵を受け取り、休み時間の間にPC端末を用意し、学習用端末の利用が終われば元の場所に戻して施錠するといった管理方法です。

PC端末に限った話ではありませんが、公立の小中学校にとっては“税金で購入した備品”であり、紛失事故はあってはなりません。厳重な管理方法を否定するわけではありませんが、準備に手間がかかることから学習用端末の利用率が上がらず、先生によっては端末を利用した授業を敬遠することもあるようです。九州地方の某学校ではバッテリーBOXが校長室にあり、来客中はPC端末の取り出しができないといった事例までありました。

「児童生徒1人1台コンピュータ」の実現により、PC端末が鉛筆やノートと並ぶマストアイテムとなります。当然、今までの管理方法では、対応することができないため、新たな管理方法への見直しが迫られています。

 

テレワークに学ぶ、これからの教育

令和2年2月27日、コロナウイルスの影響を受け、政府は全国すべての小中学校や高校などに、来月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請したことで、共働き世帯を中心に波紋が広がりました。

既に民間企業においては出社を控える動きがあり、テレワークを勧めている企業も増えています。テレワークにより、出社をせずとも生産性を落さずにコロナウイルス対策ができている格好となりました。

今でこそ、働き方改革によりテレワークの認識が広がっていますが、日本では長きにわたり会社に出社することが当然であり、在宅勤務に対する理解が乏しかったと言えます。しかし、日本の生産性の低さが注目されるようになり、テレワークを取り入れた企業が増加した結果、パンデミック対策に繋がっている状況です。

では教育分野においてはどうでしょう。学習用端末の整備ができていないこともありますが、仮に「児童生徒1人1台コンピュータ」の実現ができていたとしても、授業が始まる前のあいさつや授業中の発表の仕方など、学習に当たっての規律の習得が重視されている日本の教育においては、テレワークのように在宅でのオンライン授業に切り替えることに懐疑的になるのではないでしょうか。

しかし、もはや世界ではオンライン授業は当たりまえであり、パンデミック対策のみならず、より質の良いオンライン授業を求めて、場所や国を選ばすに学ぶことができるツールとして認識されています。

テレワークにおいて世界に後れを取った日本ですが、教育分野においても、教育水準世界トップのフィンランドと比較すると「ICT教育において日本の10年先を進んでいる」と言われています。この現状を打破し、世界に通用する人材の育成のためICT教育の発展は必須ですが、重要なのは学習用端末の普及だけではなく、積極的に活用することができるICT環境なのです。

 

“使用”の先にある“活用”

EdTech(エドテック)という言葉をご存知でしょうか。Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。一見、ICT教育との違いに迷うかもしれませんが明確に異なっています。学校の授業という限られた領域でPC端末を使用することがICT教育とすると、領域を絞らず広い範囲でPC端末を活用する学習方法がEdTechです。cocoiro参照)

教育現場が授業以外での自己学習に学習用端末の利用を認めるかは、持ち帰りによる紛失・盗難事故の観点から不透明ですが、先に触れたように世界の教育に遅れないためにも利用範囲を限定せず、ICT教育の先にあるEdTechを実践する方が、より質の良い教育が実現できることは容易に想像できます。

この先に求められるのは、教育現場の管理負担をかけずに、本来の目的以外に利用できない環境整備や、生徒1人1人のリテラシー向上にあるのではないでしょうか。

現在、PC端末の全国平均普及率は5.4人に1台となっています。1人1台となると管理負担は単純に5倍となり管理に関する負担は急激に増えます。教育現場でその課題を克服し、学習用端末の利用率を向上できるかが、PC端末の“使用”か“活用”かの分かれ道となります。

 

まとめ

ひと昔前、世界のトップ企業には日本企業が多くを占めていました。現在は、GAFAをはじめとした多くのグローバル企業が名を連ねていて、日本企業は低迷が続いています。未来の日本を背負う子供達には質の良い教育を受けさせ、世界に負けない人材を育てなければなりません。

これまでの日本の教育現場の状況を鑑みると、今回のGIGAスクール構想において、現場の端末管理負担が急増し、必要な時だけの利用に限定し、事故を未然に防ぐことを意識する、まさに「石橋を叩いて渡る」ですが、叩き過ぎて結果が伴わないはよくある話です。利用率を上げつつ、いかに事故を未然に防げるかが重要でとなります。

GIGAスクール構想がICT教育の発展に繋げられるかは、全て教育現場の判断にかかっていると言えるのではないでしょうか。

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